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まずは小さく始める

生成AIの導入は、小さな成功体験を積み重ねることから始めましょう。以下の手順で、リスクを最小化しながら効果を確認できます。

6.1.1 個人的な試行から始める

ステップ1: 基本的なアカウント設定

  1. 業種共通コンテンツの「1.4.1 アカウント作成と基本設定」を参照し、ChatGPTなどのアカウントを作成します
  2. 無料版から始め、効果を実感してから有料版の検討も良いでしょう
  3. 業務用と個人用のアカウントを分けることをお勧めします

ステップ2: 簡単なタスクで試してみる

  1. 日常業務の中から、比較的シンプルで効果が分かりやすいタスクを選びます
    • 例: 定型的なメール文面の作成
    • 例: 会議の議事録整理
    • 例: 簡単な報告書の下書き作成
  2. 本ガイドのプロンプトテンプレートを参考に、自分の業務に合わせて少し修正して試してみます
  3. 最初は完璧を求めず、AIの出力を「たたき台」として活用する姿勢が大切です

ステップ3: 効果の確認と改善

  1. 生成AIを使った場合と使わなかった場合で、以下の点を比較します
    • 作業にかかった時間
    • 成果物の質(分かりやすさ、網羅性など)
    • 精神的な負担感
  2. うまくいかない点があれば、プロンプトを少し変更して再試行します
  3. 効果が高かったタスクをリストアップし、継続的に活用します

6.1.2 チーム内での小規模パイロット

個人的な試行で効果を実感できたら、次は少人数のチームでパイロット導入を進めましょう。

ステップ1: パイロットチームの編成

  1. AI活用に前向きなメンバー3-5名程度でパイロットチームを作ります
  2. 業務知識が豊富で、課題意識の高いメンバーを含めると効果的です
  3. ITリテラシーの高低にかかわらず、多様なメンバーで構成するとよいでしょう

ステップ2: 対象業務の選定と目標設定

  1. チームの主要業務から、生成AIとの親和性が高い業務を2-3種類選びます
    • 例: 顧客提案書の作成
    • 例: 報告書の作成
    • 例: 顧客向け説明資料の作成
  2. 明確な効果測定指標を設定します
    • 定量指標: 作業時間、処理件数など
    • 定性指標: 満足度、使いやすさなど
  3. 1-2ヶ月程度のパイロット期間を設定します

ステップ3: 共通プロンプトの整備と共有

  1. 選定した業務に最適なプロンプトテンプレートを整備します
  2. チーム内でのプロンプト共有方法を決めます
    • 共有フォルダやドキュメント
    • 社内Wikiやチャットツール
  3. 定期的に改善点や効果を共有する場を設けます

ステップ4: パイロット結果の評価

  1. 設定した指標に基づいて効果を測定します
  2. メンバーから使用感や改善点をヒアリングします
  3. 成功事例と課題をまとめ、次のステップへの提言をまとめます

6.1.3 成功体験の共有と横展開

パイロットで成功体験が得られたら、その経験を組織内に共有し、横展開を進めます。

ステップ1: 成功事例の見える化

  1. パイロットの具体的な成果を数値で示します
    • 削減できた時間
    • 処理できた件数の増加
    • 品質向上の具体例
  2. ビフォー・アフターの実例を示します
  3. 参加者の生の声を集めます

ステップ2: 社内セミナーや勉強会の開催

  1. パイロットメンバーが講師となり、実践的な使い方を紹介します
  2. 実際に参加者が試せるハンズオンセッションを設けると効果的です
  3. Q&Aの時間を十分に確保し、不安や疑問に答えます

ステップ3: サポート体制の構築

  1. 質問や相談を受け付ける窓口を設置します
  2. FAQや活用のヒント集を作成・共有します
  3. 定期的な情報共有会を開催します